うちの子が間もなく英検3級を受験する。
でも、中学校に入る前に英語に触れてきたので、中学・高校で学ぶような文法中心の学習をしていない。それがネックになるのではないかと危惧している。
小さい頃から歌やリズムに合わせて単語を覚えたり、可愛いキャラクターが話す英語を聞いたりと、遊びを通して感覚的に英語を身につけてきただけ。
それに、インターナショナルスクールや英語塾にも通わせていない。私自身も、子供にネイティブのような英語力を求めていたわけではなく、あくまで「日々のちょっとした楽しみ」として英語に触れさせてきただけであって、高い英語力を付けさせようとしてこなかった。
なので、今の子どもの英語力では、自由に話すことはできないし、速い英語を聞き取るのは難しい状況だ。
そんな我が子が、ついに英検3級を受験する。
3級からは、ライティングが試験に加わり、二次試験ではスピーキングもある。単語さえ覚えれば何とかなっていた5級や4級とは、求められる英語力がまったく違う。
この「子供の脳内にある、まだフワフワとした英語」を、文法という枠組みを通して「受験に対応できる英語へ変える」にはどうすればいいのか。
どうしたら「英語の文法ってなんだかつまらない」と感じさせずに、英語を教えることができるのか。
今回、親が我が子の英検のサポートをする方法について、私が色々と考えたことを書いていくことにする。
子どもの英語力の課題を把握する
うちの子は、そもそも英語力が足りない
日本生まれ日本育ち、もちろん海外に行ったことないうちの子にとって、英検3級は頑張らないと合格できないレベルだ。受験するには、まだまだ課題がたくさんある。
私目線で、特に足りないと思うのが文法の知識と語彙力だ。文法はそもそも勉強してないし、語彙力はめんどくさがって本人が避けてきた。
英検3級ともなると出題される文の構造は複雑になるし、出てくる単語数も多い。長文をすぐに理解するスピード感もつけなければならない。
課題は山積みだ。
対策を考えるために、それぞれの課題を細かく分析してみた。
文法を理解していないし、ボキャブラリーも足りない
まず、文法を理解していないこと。
どちらかというと英会話的な感じで「こういう時にはこういう風に言う」という覚え方をしてきた。私も文法をしっかり教えたわけではない。
それからボキャブラリーが全然足りていないのも課題だ。
単語帳を一通り見せてみたら、名詞や動詞についてはある程度覚えているようだった。
しかし形容詞や副詞にあたる単語はほとんど知らないし、熟語や会話表現なども覚えていない。これまで触れたことのないボキャブラリーは知らない状態なので、英検に向けてボキャブラリーを増やしていかなければならない。
時間的な余裕がない
別の課題として、英語学習の時間があまりない。
そもそも学校に行って帰ってくるだけで子供はクタクタだ。家から学校までが少し遠いこともあるが、通学で疲れているというだけが問題ではない。
いくら学校が楽しくても、やはり気をつかっている部分はあるだろう。帰宅後はとても眠たそうにしている。また部活がある日は、帰ってくる時間がそもそも遅い。明日の準備などやることもある。
そうなると子供が英語に避ける時間はかなり少ない。効率よく、かつ、本人がやりたくなるような作戦を考えていかねばならない。
親と子、それぞれのやる気のムラ
時間がないという話とつながるのだが、子どもは、英語学習のやる気にとてもムラがある。疲れている日は特にやる気がない。何か学校で嫌なことがあったりすると、これもまた、やる気を削がれるようで英語に気持ちが向かない。
同じように私自身、やる気が起きない日がある。そんな日は、子どもに英語を教える気力がわかない。疲れている日もあれば、体調が悪い日もある。気持ちが乗らない日もある。
「やる気云々言ってないで、受験するんだからやる気に左右されずに頑張らなきゃいけないでしょ!」なんて、とても私には言えないのだ。
つまり今後は、親も子も、やる気にムラがあることを前提とした学習ができるように対策を講じていかねばならない。
課題を解決するために使っている教材とその使用方法
3つの課題を解決するための教材の取捨選択
先ほどあげたように、課題は3つある。
- 文法知識・ボキャブラリーの不足
- 時間がない
- やる気にムラがある。
この3つをまとめて解決するために、教材を厳選した。
教材は以下の通り。
チャレンジイングリッシュの活用
チャレンジイングリッシュの内容は、とてもよくできていると思う。私自身は英語の勉強をしているだけで、教えることに関しては素人だ。でも、私たち親子にとっては、価値のある教材になっている。
充実した学習内容、かつ、負荷が少ない
チャレンジイングリッシュをやっている子どもの様子をみている限り、本当によい教材なんだろうなというのが分かる。進めていくのが楽しそうだし、負荷も少ない様子。
難しかったり面倒だったりすると、学習を始めるまでのハードルが高くなってしまうが、チャレンジイングリッシュの場合、子どもにそんな様子は見られない。
少しスモールステップすぎるかなとも感じるが、ちゃんと英語力をアップできる内容になっていて、順番にこなしていけば自然と英語が身につくだろうなと感じた。
親のやる気がないときに、一人学習させられる頼れる教材
親が忙しかったりやる気がない時で、しかし子供のやる気がある時には「チャレンジイングリッシュをやっといて」と言うことが多い。
チャレンジイングリッシュなら、しっかりと学習できることは分かっているし、短い時間だけでも学習できるし、何より親がいなくても英語学習を進められる。
つまり、親の都合に関係なく勉強させておける。塾にも英会話教室にも通っていないうちのような子どもには、親子でラクできる良い教材だ。
チャレンジイングリッシュの良し悪し
先ほども言った通り、チャレンジイングリッシュについては、基本的にとてもよくできているなと感じている。
ある意味ゲーム感覚で勉強ができるし、内容もしっかりしている。親が下手に選んだ問題集などよりも、よっぽどこっちの方が良いと思う。
ただスモールステップであること、この点においてはもどかしいなと思うことがある。子供もこのように言っていた。1つ1つのステップは短時間なのだが、数が多い。
段階的に英語を網羅しようとしているので仕方がないことではあるが、ある程度子供の能力を見ながら、ちょっとショートカットできるところは切ってステップアップさせるのも一つだと考えている。
公式の過去問の活用
英検の公式サイトでは、直近の過去問を3回分見ることができる。
うちでは、この3回分をプリントアウトして使っている。
過去問をつかった試験対策のやり方
うちの場合の、過去問の使い方を紹介していこう。
まず、3回分のうち一番遠い(古い)回のものを、大問ごとに解かせる。今日は大問1だけ、次の日は大問2だけ2だけ、のような感じだ。大体時間は10分を目安に解かせてみる。
この時
「10分でできなかったら、それでもいいよ。初めてやるんだし、できなくても当然。現状の解くスピード感とどこが分からないかを知りたいだけだからね。ただできる限り最後まで解こうとはしてね」
と伝えておく。
あらかじめ、「解けなかったザンネン感」を感じないようにしておくためだ。
その後、すべての問題を一緒にみていく。正解していたとしても、ちゃんと理解しているとは限らないので、全部ふり返る。
その中で以下のところに印をつけて、解説もしていく。
そうすると、「英検3級ってこんな感じなんだ!」というのを知れるし、知らなかった単語を過去問の中で暗記できたり、分からなかった文法も、実際に出題された問題で解説すると理解しやすいようだ。
この後、同じ回のリーディング・ライティング・リスニングの3セクションを、それぞれ各1日ごとに解いてもらう。同じ問題で引っかかったらそこが弱点だと分かるので、もう一度解説して理解できるようにする。
最終的には、その回のスピーキング以外の3セクションを一度に解いてもらうのだが、この時点で3回目なので、解くのにほとんど時間がかからなくなっている。内容もほぼ理解している段階なので、解説することもほとんどない。
その後、別の回の過去問をR・Wを1日で、Lを別日に1日で解いてもらう。それぞれ全問ふり返って解説。一通り理解できたところで、R・W・Lをまた1日でやり、間違った問題を解説していく。
これをくり返すと、完全に理解した過去問を各回3周することになり、試験前には相当チカラがついているはずだ。
親子で一緒に、弱点を見つけていくときに使う
合格するためには、やはり公式の過去問が一番だ。これ以上、精度が高い問題集はない。
2回目に学習する過去問は、初回にやった過去問での勉強が生きているはずで、1回目の過去問より点数が伸びるはずだ。子ども自身も、回を重ねるにつれて、自分の成長を感じやすい。
点数が伸びなかったら、どこが弱点になっているのかが分かるので、対策もとりやすい。
過去問は欲を言えば3年分(9回分)やるのが理想かもしれないが、時間的にも気持ち的にも、子どもはそんなにこなせないので、3回分を徹底的に理解する方が効果があるんじゃないかと思っている。
公式の過去問の良し悪し
公式の過去問については、良いも悪いもないのが正直なところだ。
どの試験においても過去問をやるというのは最大の対策になる。欲を言えば、ネット上で公開する過去問が現在は3回分だが6回分にしてほしい。また2次試験の内容が書かれた過去問もしくは例題の数を増やしてほしい。
ただ無料で公開されていることを考えれば、私がこんな文句を言うところではない。足りないなと思えば6回分の9回分入った市販の過去問を買えば良いだけだ。
出る順パス単の活用
出る順パス単、この単語帳は英検受験では必須であろう。
他にも色々と単語帳はあるが、英検だけを受けるのであれば「英検に特化した」出る順パス単が効率がいい。
過去問と合わせて使う
先ほど過去問を使って勉強していくと言ったが、過去問の中でわからなかった単語や、覚えていなかった熟語・フレーズ調べる時に、出る順パス単を使う。
その時に、3級からは掲載されている例文を音読させている。出る順パス単の例文は、英検の過去問にとても似ている。例文を知るだけで英検対策になる。
赤シートと合わせて使うのは、子どもはやりたがらない
もちろん、赤シートを使って普通の単語帳としても使わせたいのだが、子どもが自分から開くことはほとんどない。
うちの場合は、過去問をやりながら一緒に出る順パス単を使い、「過去問だけでは拾いきれなかった単語だけ、あとから覚えようね!」とする方法があっているようだ。
出る順パス単について
出る順パス単について、市販品の中で子供が使うには一番いい教材ではないかと思っている。
ある程度大きくなればスマホでできるアプリを活用した単語学習はとても効率が良いのだろうが、小学生中学生のうちだと紙に書き込んだり付箋を貼るなどアナログな方法が学習としては最適ではないだろうか。
3級からは、各単語ごとに例文も載っているし音声も聞けるのでとても便利だ。
この出る順パス単について、もっと要望していいのであれば、単語ごとに意味と例文を聞けるといいのになと思う。現在は1から15までが一塊のような聞き方ができる。でも特定の単語や熟語の音声を聞きたいことも多いので、それぞれの単語だけを選んで例文を聞くなどできるとありがたい。
とはいえ、こちらも無料で音声が聞けるので、それだけでありがたく使わせていただいている。
親が文法を教える
文法は、私が大まかに教えている。
教えているのは、主に時制と数くらいで、細かなところは特に教えていない。
よそで英語を学んでいるなら、親は必要ない
すでに中学生で文法を学んでいたり、塾や英会話教室で文法を習っている場合には、あえて親が教える必要はないはず。
ただうちの場合、よそで文法を学んでいないので、英語を読めたとしても体系的には理解していない。だから、英検3級を受けるにあたりある程度、文法を使って英語を整理させる必要があった。
教えているのは、時制の概念と数の概念
文法にも色々あるが教えているのは、時制の概念と数の概念だ。
- 時制…過去形、進行形、完了形
- 数…単数、複数、冠詞、代名詞
こうやって書き出すと、たくさん教えているみたいだ。
だが、ひとつずつ教えるというより、「こっちの例文とあっちの例文は、ココを変更しているだけで同じ仕組み(文法)なんだ」と解説するだけ。また、完了形や数の概念などは、日本語にはあまりない感覚なので、「意識的に気付けるようになろうね」と話す程度。
そこに、文法用語を織り交ぜて解説して、文法用語も理解できるようにしている。
もちろん、基本的な語順も教えている
語順、つまり単語の並べ方も教えている。でも、語順は音読したり英語を聞いていく段階で、なんとなく習得できているようだ。
不定詞を取るか動名詞を取るかのような文法事項は、セットフレーズで覚えさせてしまうのが早い。これはあくまで英会話として英語を学んできた我が子のケースなので、全員に当てはまるとは言わないが子どもなら口が覚えてくれる部分は多いのではないだろうか。
親が教えることの良し悪し
親が教えることについては、賛否あると思う。うちの場合は今のところ、うまくいっていると思う。
理由は2つあると思っていて、1つは親である私自身が英語学習者であること、もう一つはわからなくても構わない、しょうがない、だってまだ英検3級受けるには年齢的に幼いからね、というスタンスを崩していないからだ。
この辺は、「同じ学習をしてる先輩だから、あなたの感じている難しさは共感できるよ」というスタンスがとれるので、しばらくはこのまま私が教えていきたいと思う。
まとめ
今回は、文法を知らないわが子の「感覚的な英語」を「受験用の英語」にする方法ということで色々と書いてきた。
結局のところ、チャレンジイングリッシュと出る順パス単、そして公式の過去問という「超王道の英語学習方法」しか紹介しなかったので、裏技的なものを期待していた人にとっては残念だったかもしれない。
王道の教材でやっていくのが、一番効率がいいとは思っているものの、現状では合格のレベルには足りてない。裏技的な方法で、我が子の英語力を伸ばせるのなら、ぜひ情報をいただきたい。
実際のところ、あと1ヶ月でどこまで伸ばせるかは親次第かなと思っている。英語の学習サポートだけではなく、やる気のムラも織り込んだペース配分は親が行うべきだろう。
英検の受験費用は年々高くなってきているので、ぜひ一回で合格してほしい。
お金の面でも、子どもの今後の英語学習へのモチベーションのためにも、無理をさせずに「せめて合格できるかも」というレベルまでは引き上げてあげたいものだ。
今回紹介した教材については、以下に公式サイトや販売サイトへのリンクを貼っておくので、興味を持った人はぜひご覧になってほしい。
同じように、我が子が英検を受験するという親御さんたち、一緒にサポートを頑張りましょう!
教材の紹介
チャレンジイングリッシュ(進研ゼミの教材のひとつ)
英検の公式過去問
・市販の過去問集
・出る順パス単(楽天)
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